先週、3年前に転職していった後輩くんと久しぶりに焼き肉食べに行ってきました。
久しぶりにLINEに連絡あり、なんだろうと思っていると、またまた転職したそうです。
その後輩くんは地方出身者なのですが、会社がヤバイことになったことを契機に地元に戻る選択をし、そのときは、地方銀行のシステム部に転職していきました。
辞めた後も何回か連絡しあっており、転職でお給料も減ってしまったと嘆いておりましたが、そこそこうまくやっておりました。
ただ、やっている仕事というのが、仕様書を作って外注するだけの管理仕事で、直接コーディングすることはほとんどなく、昔の仕事に比べると圧倒的におもしろくないとは言っておりました。
特に銀行系ということもあり、ガチガチなところも多く、めんどくさいことをたくさんしないとダメだったそうです。
また、今の時期、銀行はどこも不景気で昇給もほとんどなく、当初言っていた話とだいぶ違ってきたので、早々に見切りをつけたらしいです。
最初に銀行系に行くって言ったときも、今から銀行はヤバイよとアドバイスしていたのですが。。。
今回の転職では、今のIT景気に便乗して、ファクトリーオートメーションシステムを手がけている大手会社に転職できたそうです。一応、国立大の卒業だし、まだ、30歳ちょいだったと思うので、年齢的なこともあったのでしょう。
それにしても、簡単に転職できるものです。
転職したばかりで実際の仕事はまだしておらず、なんとも言えないらしいですが、職場の雰囲気はそこそこ良いと言ってました。
ただ、日本のFA開発というのはとても閉鎖的なシステム開発らしく、開発言語もよくわからないラダー言語?(ガラパゴス言語)らしいので、個人的にはとてもきな臭い感じがしています。
<参考記事> ガラパゴス化しつつある日本の製造業、取り残されるプログラミング言語
まあ、今回は転職した会社がかなり大手ということもあって、FAがダメになっても他の仕事があるでしょうが、変な言語を勉強しても後々、その知識が他の分野でまったく役に立たないので、とても微妙です。
私ならまず、やりたくない仕事です。
今なら、もうちょっとマシなところもあると思うのですが。。。
転職するなら、将来のキャリアアップを見据えることが大事
以下の経産省の資料によると、今のIT業界はムチャクチャ人材不足だそうです。
新卒人材(IT 人材としての新卒就職者数)の増加に伴い、IT 人材数(供給)は 2030 年まで増加傾向となり、2030 年の IT 人材数は、2018 年から 10.2 万人増の 113.3 万人となる。
<参考記事> IT 人材の最新動向と将来推計に関する調査結果を取りまとめました
ほんと、今、IT業界は空前の転職天国です。
実際にシステム開発している側からしても、この人材不足は痛いほど感じているのですが、単にプログラマーが不足しているというよりは、最近はプログラマーに求める要求が高くなっていることを強く感じます。
今の時代、昔と違って技術の移り変わりがほんと早くなりました。
バンバン出てくる色んな言語を覚えるのは当然として、アジャイル開発、DDD、CI、DI、Docker、AI、AWS、GCPなどのプラットフォームの知識など、覚えることだらけです。
日々、新しい技術や開発手法がたくさん出てきており、常にウォッチしていないと、数年前の常識があっと言う間に通用しなくなります。
これにはもちろん良い点もたくさんあり、今の時代、ひとりのプログラマーであっても色んなプラットフォームやSDKを使うことで、あっという間に面白いサービスを構築できます。
実際、うちの開発チームでも昔とは比べ物にならないぐらい少数で、色んな開発をこなしています。
今の時代、面白いサービスを作るのに、物量にものを言わせる大企業である必要はもうないのです。
そういう意味では、たくさんの凡人プログラマーを雇うより、数人のできる人を集めた方が断然面白いことができます。いわゆるイノベーションは凡人では作れないからです。
言われたことだけを、そつなくやっているような人(日本人が大好きな平均的な人)は、今の開発においてあまり重要ではなくなっています。そんな人は単なるコマとしての動きしかできず、給料もそれほど上がりません。
今は、少数のできる人になれるように努力することが大切なのですが、なかなかそんな人はいないものです。
転職するにしても、将来のキャリアップをどのように考えているかで、当然、大きく将来は変わってきます。
今、自分が中堅システム会社のプログラマーだとして、将来何をしたいのかよく考えてみてください。
SEとなって課題解決案件を取り仕切りたいのか、技術力を高め、フリーランスとして独立したいのか、自らサービスを作って起業したいのか、それとも単に面白い最先端なことをやりたいのか、色々な選択肢があります。
当然、自分の目標にあったキャリアップを目指して、転職先を変える必要があります。
単に、給料が良い、待遇が良い、からというだけで転職しても、どこかで行き詰まることは目に見えています。所詮、プログラマーの給料なんてしれているからです。
という観点で考えた場合、先の後輩くんの転職は残念ながら。。。です。
大企業に就職できるからという理由だけで転職をするのは、今の時代、やめておいた方が無難です。
いくら大企業でも、不況になればあっという間に潰れていくことでしょう。この前の会社倒産危機で身にしみたはずなんですが。。。
特に大企業へ転職は要注意です。日本の大企業の場合、色んなしがらみがたくさんあり、ちょっと新しいことをやろうとすると、全然関係ないところから反対する人がたくさん湧いて出てきます。
今までの成功体験が邪魔をするのだと思うのですが、私と同じような年代のおじさん連中は特に変化をとても嫌います。
自分が今の時代について行けていないことを認識もしておらず、静観するならまだしも、邪魔をするのです。
なので、キャリアアップしたいなら、大企業は止めておいた方が無難です。余計な手間と時間を取られます。(その分、根回しなど仕事の回し方はうまくなりますが。。。)
まとめ
それにしても、今のIT業界の人手不足はとても深刻みたいで、少々の経験があれば転職もかなり容易にできるらしいです。
これは、実際にうちの発注先の外注さん募集を見ていてもよくわかります。
うちの場合、特に条件が厳しい訳でもないのですが、なかなかいい人が集まらず、ほとんど素人同然の初心者しか応募がないと嘆いておりました。
2,3ヶ月コーディング経験あるだけで、一人前のお給料をもらうなんて、ちょっと前ならありえないことです。いくらプログラミングが楽になったからと言って、舐めすぎです。
ほんと、今は人がいないようで、プログラムだけじゃなく、システム設計・開発がうまくできる人はとても貴重で、お給料もかなり上がってきております。
それでも世界的レベルでみると、まだまだ日本のIT業界は底辺に位置しており、低賃金で馬車馬のように働かせるところも多いので、企業選びは慎重にしないとヤバイですが。
私が新卒の20年前は、IT業界というと、今で言うブラック企業の温床で、特にプログラマーなんかは、納品前になると徹夜で会社に泊まり込みというのが定番でした。
2,3日泊まり込みというのは普通のことで、中には1週間家に帰れないということもよく聞いたものです。(そんなことやっても全く効率上がらないですが)
今は、あからさまにひどいことをすると、あっという間に噂が広まり、人が寄り付かなくなるので、ひどいところは減ってきているようですが、それでも仕事量に比べて低賃金なのは否定できません。
ただ、ブラックか、そうでないかは、自分の気持ちの持ち方一つでもあり、紙一重なところもあります。そのため、長時間労働がすべてブラックかというと、少し違う気がしております。
要は、その仕事にやりがいを感じるか、どうかです。単に、言われたことをコーディングだけしているような仕事が白くないのは当然です。
と言っても、人によってやりがいを感じるポイントはそれぞれ違うので、うまくそれを引き出せるかが、チーム運営するためのコツだったりもします。