先日、山手線で乗客が持っていたモバイルバッテリーが発火し、電車が大幅に遅延したとニュースが流れていました。
バッテリーが燃えたニュースはたまにあるのですが、問題のモバイルバッテリーは中国製で、セルはサムソン製だったらしいです。
詳細は以下の記事が詳しかったです。
《参考》 モバイルバッテリーは爆発しにくい「リチウムポリマー電池」を選ぼう。
また、サムソンか!!という感じで、しかも中国製!。個人的にも一番嫌いなパターンです。
少し前の「Galaxy Note」のリコールも含め、かなり昔から中華製のモバイルバッテリーが燃えたり、爆発したりとあちこちでニュースになっていました。
かなり昔ですが、確か、中国では胸ポケットに入れた携帯が爆発して死亡した例もあったはずです。当時、こわっと思った記憶があります。
今までは、こんなバッテリーのボヤ騒ぎもそれほど気にもしていなかったのですが、最近になって、モバイルバッテリーを家族でも使い出したので、このニュースがちょっと気になりました。
ということで、今回は、モバイルバッテリーがどの程度本当に危険なのか、調査してみることにしました。
今使っているモバイルバッテリーは大丈夫?
少し前に、家族のスマホの電池持ちが極端に悪くなってきたので、予備用として購入したモバイルバッテリーが、これです。
1つ購入して家族が使っていたのですが、すごく好評だったので、自分でも欲しくなり、もう一個同じものを購入しました。
購入の決め手としては、
- 安い!
- バッテリーが5000mAhもある割に106gと軽量。しかも、小さい。
- ケーブルがモバイルバッテリーに内蔵できる。LightingとマイクロUSBの両方に対応。
- デザインがソコソコ良い。
でした。
このバッテリーですが、大きさが手頃で、持ち運びするには最適なサイズです。
これより小さいものはバッテリー容量が少なくなり、常に満充電にしていないと予備バッテリーとしては不安な感じです。
大きさとバッテリー容量が絶妙で、充電しながらスマホを使う場合でも手に持ちやすいのが特徴です。(電池の危険性を考えると、あんまりやってはいけませんが。。。)
しかも、充電用のケーブルが内蔵されているので、わざわざケーブルを持ち運ぶ必要もなく、携帯するにはとても便利で、いつも、バッグに放り込んでおく感じです。
最近製造のものでは、USB Type-Cアダプターも別途、同梱されていました。といっても、本体に内蔵できるのは、LightingかType-Cのどちらかだけです。
と、このモバイルバッテリーの紹介はこれぐらいにして、その安全性についてです。
購入前にも一応、確認したのですが、アマゾンの詳細情報には、以下の様に記載されています。
- 「高質量」:A+リチウムポリマーバッテリー(抗爆発バッテリー)で製造されています。コンバージョン率は約75~85%です。そして、多重保護システムにより充電効率と放電効率を向上させ、過放電、過充電、高温、短絡などの場合、自動充電停止し、お使いのデバイスを安全に保護します。12ヶ月の製品保証付きので、ご安心ください。
これを見ると、リチウムポリマーを使っていて、保護システムもあることになっています。
リチウムポリマーというは、リチウムイオン電池を改良したもので電解質としてポリマー(重合体)というゲル状の物質を使用することで、発火する危険性を減らしたものです。
ただ、リチウムイオンに比べると、少し割高になるそうです。
ポリマーというと、何やら難しそうな感じですが、身近なところではビニール袋なんかがそうで、別に高尚な感じの物質ではありません。
あと、Unigear(ユニジア)というメーカーは聞いたことがなく、値段もかなり安かったので、その安全性についてちょっと迷いました。たぶん、中国製だと思います。。。
ただ、アマゾンレビューを見る限り、すぐに壊れたという情報はいくつかあったのですが、さすがに燃えたというものはありませんでした。
今のところ、2台ともに特に問題なく、便利に使わせてもらっています。
リチウム電池の爆発の危険性とは
リチウムイオン電池に関しては、過去に何度も世界中で事故を起こしています。
有名どころでは、最初に取り上げた電車内でのモバイルバッテリーの発火、デルやソニーのパソコンの発火、ジャンボ機に搭載されたバッテリーの発火などが有名です。
その他にも、ニュースにならないところでは数しれず、発火しているそうです。
私も昔、iPhoneの充電池を交換した際、バッテリーを無理やり剥がそうとして、煙が出る事件がありました。もうちょっとで火災になるところでした。
《参考記事》 iPhone6のバッテリーがヘタったので自分で大容量のものに交換してみました
このような経緯もあって、日本では2008年に「電気用品安全法施行令」が改正され、リチウムイオン電池もその規制の対象となりました。
そのため、リチウムイオン電池には、法律で決められたとても細かい基準があります。
《参考》 別表第九 リチウムイオン蓄電池
基本的に、国内ではこの基準にあった製品しか販売することができないため、製造業者はこの適合性の検査を行い、表示義務等の一連の手続きを行った業者だけが販売することができるのです。
その証明が「PSEマーク」と呼ばれるものです。
ただし、この「PSEマーク」があるからといって、その品質が保証されて安心かというと、そうでもないのです。
私も知らなかったのですが、実は「PSE」マークというものは、どうも、業者の自己申告に過ぎないみたいなのです。
そのため、「PSE」マークが付いているからといって、その品質が満たされているかどうかは販売業者の良心にかかっており、何の保証にもなっていないのです。
また、「PSE」マークが義務付けられているのは、あくまでリチウムバッテリー本体であって、製品として組み込まれてしまっているスマホやモバイルバッテリーは電気用品安全法の対象ではなくなるのです。
そのため、海外製のセルを使っている場合などは、「PSE」基準にあっていないものもあるそうです。
いつものごとく、ザル法な感じです。
とはいうものの、法律で規制されるぐらい、リチウムバッテリーは危険だということです。
リチウムバッテリーが燃える原因とは
リチウムバッテリーは、高エネルギーなものをコンパクトな大きさに詰め込んでいるため、元々からして危険なしろものなのです。
その危険なものを技術の進歩によって、割と安全に使用できるようになったために、爆発的に普及したのです。
それには、携帯やスマホ、パソコンを如何に軽量化するかという、IT業界の市場競争が大きく影響しています。
リチウムバッテリーの歴史もかれこれ30年以上にもなり、それなりに色々とあったことで、最近では技術的にも枯れてきているように思われるのですが、発火問題は未だにチラホラ発生しています。
では、なぜ、リチウムバッテリーは爆発するのでしょうか?
リチウムバッテリーが燃える原因について、詳しく考えていきたいと思います。
いくつか原因はあるのですが、順番にみていきます。
ももそも、設計、製造がキチンとできていないケース
さきほども説明したように、リチウムバッテリーはとても危険なものです。
その危険なしろものを、どれだけ安全に使えるかは、キチンとしたメーカーがキチンした設計を行い、かつ、その設計通りにキチンと製造できて、初めて実現できるものなのです。
そもそもの設計が悪くても、工場の製造工程が悪くても、ダメなのです。
中国製バッテリーやスマホが燃えることが多いのは、供給している数量が莫大だということもあるでしょう。ただ、中には安く作るためにいい加減な設計や製造管理を行っている会社も多いのです。
中華製品の品質について、一昔前に比べれば、かなりマシになってきたようですが、私は未だに中華製品は信用しておりません。
中華製品を買うときは、すぐに壊れるのを覚悟で買うようにしております。
特に最近のガジェットでは、外で使うケースがほとんどです。外で使うということは、移動時の振動もあるでしょうし、もしかしたら雨にぬれるかもしれません。
そのため、家で使う場合と違って、かなりの信頼性、耐久性が要求されるのです。
ちょっとしたことで、安全回路が壊れるような設計では、危険すぎて使えません。
無理な設計をして発火するケース
大手メーカーの製品で、それなりな設計で、製造もキチンと行っているはずのものであっても、たまに思わぬ落とし穴があって、発火するものが続出しております。
一番分かりやすい例が、サムスン「Galaxy Note 7」のようなケースです。
このケースでは、発火の原因がバッテリーの設計ミスと言うことになっていますが、製品に採用した2社のバッテリーが2つとも発火しています。ただし、設計ミスの内容はそれぞれ違うみたいです。
同じ製品で、たまたま採用した2社のバッテリーがどちらも欠陥品だったって、普通、ありえますか?
状況からして、Galaxy Noteのケースはある程度、人為的な問題の可能性が高いと噂されております。
当時、サムスンでは、iPhoneとの激しいスマホ競争に勝つため、如何に大きなバッテリーを、どれだけ小さくできるかというテーマに取り組んでいたようです。
その過程で、バッテリーメーカーにかなりの無理をさせたみたいです。
実際、悪名高いサムソンなら下請メーカーに対して、どんな無理な注文でもしそうです。(関係者じゃないので、あくまでも主観です。。。)
ユーザーの雑な扱いや長期間使用が原因のことも
特にモバイル用途でリチウムバッテリーを使用する場合には、その危険性が増します。
それは、家で使う場合に比べて、外は遥かに悪条件だからです。
ユーザーが、スマホを落としたり、カバンの中で激しく揺れたり、雑に扱ったり、雨にぬれた、水没させたなど、色々なケースが考えらえます。
あっ!って感じで、携帯を落っことしたりすることがありませんか?
液晶が割れなくてラッキーというケースも多いですよね。
そんな場合でも、もしかしたらバッテリーには大きなダメージを与えている可能性があるのです。もしかしたら、その衝撃でバッテリーの安全回路が壊れるかもしれません。
また、昔はよくあったのですが、携帯やスマホを長期間使っていると、バッテリーが膨らんできて裏蓋が外しにくくなるケースがありませんでしたか。
それは、本来なら起こらないはずの化学変化がバッテリー内部で起こり、ガスが発生することで、バッテリーが膨らんでいるのです。
そのような状態になったバッテリーは危険なので、早めに交換した方がよいです。
ただし、最近のスマホではバッテリーが内蔵されている物が多く、直接、バッテリーを確認することも難しいです。
そんな場合、ちょっとした外装の膨らみや、異常に熱くなるなど、バッテリー異常の初期症状を見逃さないようにしましょう。
まとめ
それにしても、最近のバッテリーでは、リチウムイオン電池はあまり使われていないと、勝手に思っていたのですが、有名なAnkerでもまだリチウムイオンが多いんですね。
多重な保護回路でカバーしているので、大丈夫だということなのでしょう。
一応、今使っているモバイルバッテリーはリチウムポリマーのものなのですが、それでもショートして発火、爆発する可能性は十分にあります。
バッテリーが膨らんできたり、異常に熱いなど、何か異変があったら、すぐに使用停止して、サポートに連絡するか、捨ててしまうことをオススメします。