この前、ものすごい衝撃的な体験をしてきました。
なんと、セントマザーというカルト集団のセミナーに迷い込んでしまったのです。トータルで3時間ぐらいだったのですが、すごい体験でした。
この年になって初めて、マインドコントロールの神髄を見た気がします。
セントマザーという団体がそもそもヤバイ
セントマザーの前身は「アースハート」と言う団体らしく、裁判沙汰にもなっている団体です。
下記サイトに団体の詳細が書かれているのですが、アースハートのその前は「泰道」という宗教法人として活動していたみたいです。
《参考》 アースハート・セントマザー被害対策弁護団
《参考》 執筆「アースハートについて」 消費者法ニュース97号182頁
《参考》 調べたら案外ディープだった
《参考》 手かざしアースハートの後継団体「セントマザー」 建物の違法使用で市が指導
セントマザーの主催である野中先生という人はその「泰道」の幹部だった人で独立してアースハートを作り、その後、セントマザーに改名したとありました。
今は、福岡を拠点として活動しており、東京や大阪など、全国各地でセミナーを開催しているようです。
私自身は友人に誘われてセミナーにちょっと紛れ込んだだけなので、セントマザーはもちろん、その教義を何も知りませんでした。
セミナーで教祖様の講演や、やっていることを聞いていると、その教義は下記のような内容でした。
- 手かざしで難病を治療(これが教義の中心。手かざしという真光かと思ってしまいました)
- 遠隔でパワーを送ることも可能
- パワーで物の味を変えられる
- 雲を消せる(セミナーはいつも晴れと自慢)
- 野菜が大きく育つ(いくつか例を交えて話あり)
さっきご紹介したサイトを見ると、このセントマザーの教義内容はアースハートとまったく同じみたいです。さらにその全身である「泰道」ともそっくりです。
前身のアースハートでは元会員から訴えられ、さらに脱税問題で逮捕されたこともあり、イメージを払しょくするために団体名を変えたというところでしょうか。
今回のセミナーについて
セントマザーのセミナー受講は全部で12回あるらしく、その総まとめみたいなものでした。
友人からは怖くてセミナーの受講料を聞けなかったのですが、調べてみると54万円とされていました。(高い!!)
まず、セミナー開始早々、受講者たちの成功体験を発表するコーナーが始まり、20分間で100人以上もの人たちの奇跡体験が語られました。
車椅子に座ったままの方もおられ、口々に「長年患っていた何処どこの痛みが取れました!」とか、「お薬の数が減りました!」などで、中には、「遠隔でパワーを送って知人が危篤状態から治りました!」などとおっしゃる人までいました。
当然ですが、だれ一人否定的な意見を発表する人はいません。
皆、嬉しそうに成功談を語り出すので、こんなにたくさんの人が簡単に病気を治せたなら、「自分でもできるかも?」と、ヤバイ感じになります。
いきなり、みんなで大きな共感を共有するという、大技から入るところは、とても勉強になります。(これは、Webマーケティングにも使えるかもと、不謹慎なことを考えていました。。。)
その後、主催の野中先生というおばちゃん(おばあちゃん?)が喋りだしたのですが、これがまた、ものすごいトーク術でした。
まったく何も知らない私でも、一通りの教義内容がわかるという内容でした。(何回も同じ話をしているのかも、って感じです)
30分以上はあったと思うのですが、所々に笑いまでいれ、とても面白い講義でした。
みな、真剣にお話を聞いていたのですが、中身はものすごく非現実的な話ばかりで笑ってしまいそうになりました。(あんなところで笑うと、本当に抹殺されそうです。)
それにしても、野中先生という方はすごいです。あれだけ喋れれば、セールスマンであれば成績トップは間違いないです。どんなものでも売りつけられる勢いがありました。
この先生、とても小奇麗な人で遠目に見た限りでは50代前半ぐらいかなと思ったのですが、あとで調べてみると、実は70歳のおばあちゃんでした。
(さっきのWebサイトで知ったのですが、新聞記事に2013年当時で65歳と載っていました。)
70歳であれだけ達者に喋れるとは、恐るべしです。
そして、講義の最後にはメインイベントである、先生様によるジュース味変の実演がありました。
私は持っていなかったのですが、皆、入口で売っていたオレンジジュースを数本も持っており、檀上からそれにパワーを入れるというものです。
先生が、「ひと口目は甘く、二口目はすっぱく、三口目は好みの味になーれ」と簡単に念を送る感じでした。
なんとも簡単なおまじないでしたが、それを飲んだ人たちからは「おおー」という驚嘆の声が上がっていました。(マジでヤバイです。。。)
私にはなんとも茶番にしか思えない光景が広がっていました。。。
その後、受講生の最終テストみたいなものがあったのですが、あまり詳しく話すとヤバそうなので、このぐらいにしておきます。
会場の雰囲気は?
今回のセミナーには受講者だけでも150人ぐらいはいて、私みたいな付添をいれると300人以上もの人たちが集まっていました。
それだけ集まると、会場はものすごい混雑状態でしたが、リーダー格のおばちゃんたちがテキパキと取り仕切っておられました。
ざっと見た感じでは、高齢者がとても多く、車イスの人も何人かおられました。次いで、中年の女性が多かったです。中にはチラホラと若い人もいたのですが、とても少数派でした。
会場の雰囲気はというと、とてもシステマチックな感じで、幹部の人たちがうまく取り仕切っており、みなが従順に従っている感じでした。
何回も同じようなセミナーをしており、とても慣れている感じです。
部外者としては、なんとも異常そのものでした。
セミナーに参加していた中で、あの茶番劇を客観的に見ていた人はどれぐらいいたのでしょうか。
私の横にいた中年の男性も微妙な感じの雰囲気を醸し出していたのですが、そんな人はごく少数派で、他の人たちは完全にマインドコントールされている感じでした。
狂信的なカルト宗教とはこんなことをいうのだと、この年になって初めて実感できました。
=>セントマザーは宗教ではないと強調していますが、「天主様」とか言っている時点で宗教以外の何者でもないです。
「天主様」ってなんやねん、って感じです。
まとめ
ハッキリ言って、私は宗教なんて一切信じていません。人間は死ねばそれまでだと思っている方です。
私からみれば、仏教だろうが、キリスト教だろうが、オーム真理教だろうが、皆同じに思えます。
そのため、セントマザーの教義を信じている人を批判するつもりは一切ありません。
むしろ、私自身、今の科学では説明できない、ハンドパワーや気功が本当にあっても不思議ではないと思っています。
ただ、人の弱い心を利用して金儲けする人たちは許せませんね。
そういえば、マルクスだったかが「宗教は貧者のアヘン」であると言ってました。
貧しければ、貧しいほど、病気などで苦しんでいれば苦しいほど、人は救済の言葉に飛びつくのです。それが人間の弱さなのです。
私も、宗教という幻想で、そういう人たちを救済することには、それなりに意義があることだと考えています。
とはいえ、今回のセントマザーは宗教ではないらしいです。
その割には、天主様とか、ハンドパワーとか、イエスキリストの奇跡の話をしたり、カルト的な要素が満載で、宗教でなかったら、何なのかよく分からないですが。。。
それにしても、このような教団の金儲けシステムはよくできています。
単に受講者たちからお金を搾り取るだけでなく、受講者を使ってさらに家族や友達を勧誘させるという、ねずみ講的な要素を必ず持っています。
今回で言えば、沢山の人を二次勧誘(覚醒させるらしいです)すると、それだけ自分のパワーが上がるらしく、覚醒させた人数が多いほどすごいらしいです。
教祖様の講演でも、覚醒させた人が多いほど教祖様のパワーが強くなると、強調されておられました。
今回のセミナーは、正気である(マインドコントールされていない)私の立場から見れば、衝撃的なぐらいものすごい茶番劇であり、ヤバイ感じしかしませんでした。。。
ただ、私の友人を含め、あれだけ真剣に信じ込んでいる人たちに、何を言っても今はムダな感じがしました。
あんなものを信じる人ではなかったのですが。。。これは、マインドコントールについて、真剣に勉強しないと。
今回の件では、友達の目を覚まさせてやるにはどうしたらよいのかと、真剣に考え込んでしまいました。
今回のセミナーに参加していて、なぜだか、マルサの女2だったかに出てきた、脱税と欲にまみれた宗教法人を思い出して、笑いを堪えるのがとてもしんどかったです。